ウクライナ侵攻で対応苦慮=日本政府、トランプ氏の動向警戒
日本政府が、ロシアによるウクライナ侵攻の終結を目指すトランプ米大統領の動向に、警戒感を強めている。トランプ氏が「ロシア寄り」と映る姿勢を示しているためだ。今後、ロシアに有利な形で停戦交渉が進む展開も予想され、対応に苦慮する場面が増えそうだ。
「確定的な評価を述べるのは時期尚早だ」。岩屋毅外相は14日の記者会見で、ウクライナ情勢に関するトランプ氏の発言への論評を避けた。
ウクライナ侵攻を受け、日本政府はロシアに対する従来の融和姿勢を転換。「力による一方的な現状変更の試みは認められない」などと批判を強め、先進7カ国(G7)各国と連携して対ロ制裁に踏み切った。
背景には、東・南シナ海で覇権主義的な動きを強める中国の存在がある。国際会議などの機会を通じて「ウクライナはあすの東アジアかもしれない」と繰り返し主張。ロシアの侵攻を、台湾統一への野心を隠さない中国と重ね合わせてきた。
ところが、トランプ氏はロシアのプーチン大統領と停戦交渉の開始で合意した後、同国がクリミア半島を併合した2014年以前の状態に、ウクライナの領土が回復する可能性は低いと明言。G7の枠組みにロシアを加え、G8に戻すべきだとの考えも示した。
日本政府内には、これを不安視する声が広がっている。外務省幹部は「トランプ氏が停戦を決められるわけではない」と述べ、ウクライナを含む関係国の調整が必要だと指摘。政府関係者は「休戦してもロシアがしてきたことは許さない」と強調した。
今後の停戦交渉で、米国は仲介役を担うとみられる。日本側は「当事者のウクライナがしっかり関与する形」(岩屋氏)を求めるが、米ロがウクライナの頭越しに交渉を進めるとの観測もある。
「トランプ氏はルールに基づく国際秩序といった規範意識が薄い。今までとは違った世界になる」。外務省関係者はこう懸念を示した。
[時事通信社]
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