2025-02-08 02:03

共同声明「日米黄金時代築く」=対日貿易赤字を議論―石破首相、トランプ大統領と初会談

 【ワシントン時事】米国訪問中の石破茂首相は7日昼(日本時間8日未明)、ワシントンのホワイトハウスでトランプ大統領と初めて会談した。日米両政府は共同声明を公表する予定で、「日米関係の黄金時代を築く」と明記する方向で調整している。首相は率直な意見交換を通じて、「米国第一主義」を掲げるトランプ氏と個人的な信頼関係を構築したい考えだ。
 米政府高官は会談に先立ち、対日貿易赤字について議論するのは間違いないと説明。防衛装備品に関する協力強化も話し合うと述べた。トランプ政権が日韓両国と足並みをそろえて北朝鮮の完全な非核化を目指すと明らかにした。
 「黄金時代」という表現は、トランプ氏が先月の大統領就任演説で「米国の黄金時代が始まる」と用いていた。日本政府関係者は「日米の未来への期待感、もっと良くしていこうという思いを込めた」と説明する。
 両首脳は昼食を共にしながら議論するワーキングランチにも臨み、共同記者会見で会談の成果を発表する。 
 会談で、両首脳は安全保障や経済など幅広い分野で連携強化を確認。国際社会に強固な日米同盟をアピールする。首相はトランプ氏の早期訪日を要請する方針だ。
 安保分野では、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の沖縄県・尖閣諸島への適用や、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携などを確認する見通し。共同声明には「台湾海峡の平和と安定の重要性」が盛り込まれる方向だ。
 東・南シナ海で覇権主義的行動を重ねる中国やウクライナ侵攻を続けるロシアといった地域情勢も議論する。北朝鮮の核・ミサイル開発や拉致問題についても意見を交わす。
 経済面では、首相はエネルギー調達の多角化を図るため、米国産液化天然ガス(LNG)の輸入を拡大する方針を伝達。日本企業による対米投資の実績を説明し、貿易赤字の縮減に躍起なトランプ氏の理解を求める。人工知能(AI)や半導体など先端技術での連携も議題となる。
 首相は6日夕(日本時間7日午前)、ワシントンに入り、岩屋毅外相が同行。8日午後に帰国する。
[時事通信社]

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