トランプ政権・識者談話
◇圧力かけるパフォーマンス
錦田愛子・慶応大教授(中東政治)の話 パレスチナ自治区ガザを米国が所有し、住民をエジプトやヨルダンへ移住させるとのトランプ米大統領の発言は、中国やカナダ、メキシコに対する関税の問題と同様に「圧力をかければ何とかなる」といった発想からなされたパフォーマンスだ。国際法的にも、政治・経済的背景からも実現可能性は極めて低い。
ガザはオスロ合意で自治が認められているものの、国際的地位は定まっていない。イスラム組織ハマスが実効支配しており、ハマスをテロ組織と見なす米国が取引することはあり得ない。住民の代表と交渉するわけでもなさそうだ。意思に反して住民を移住させれば国際法違反となる。人道上も問題であり、批判は免れない。
ヨルダンやエジプトには、経済的に受け入れる余裕がない。両国は政治的にも、パレスチナ人が住んでいた土地に戻る帰還権を支持しており、他のアラブ諸国への「裏切り」となる受け入れはできない。
今回の発言から、イスラエルとパレスチナの共存を目指す「2国家解決」実現に向けた米国の姿勢を変えるという意図までは読み取れない。ハマスを挑発し、継続中の停戦を破綻させることを狙っているというわけでもないだろう。住民を追い出し、ガザを商業的に開発したいという意図が透けて見えるが、単なる土地売買の問題ではない。
[時事通信社]
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