貿易戦争、再燃の恐れ=首脳が近く電話会談―米中
【ワシントン時事】米中貿易戦争が再燃するとの懸念が強まっている。トランプ米政権は4日、合成麻薬の米国流入が続いているとして、中国からの輸入品に10%の追加関税を発動。中国政府は、米国への報復関税や輸出規制などの対抗措置を即座に打ち出した。トランプ大統領は60%の対中関税を掲げるが、中国からの反撃に対する警戒感が高まっている。
トランプ氏は近く、中国の習近平国家主席と電話会談する見通しだ。
米国が課す追加関税は、中国で原料が生産されている合成麻薬フェンタニルの米国流入への対抗策。バイデン前政権は、麻薬対策を中国と協力可能な分野と位置付けていたが、トランプ氏は強硬姿勢に転換した。追加関税について「序章にすぎない」と語り、さらなる税率引き上げもいとわない構えだ。
トランプ氏は大統領就任直後、第1次政権時に発動した大規模な対中制裁関税や、米中貿易協議での合意事項の履行状況などを検証し、4月1日までに報告するよう省庁に命令した。対中強硬派のナバロ大統領上級顧問は、次の一手に向けて「データに基づき、慎重に調査を進めている」と話す。
中国が示した対抗措置では、最大15%と米国より高い追加関税率を設定するものの、石炭や天然ガス、原油などに対象を限定。米国への打撃が大きい大豆などは外しており、「控えめな対応」(米大西洋評議会のジョシュ・リプスキー氏)との評価が多い。
ただ、追加関税に加え、重要鉱物の輸出規制も同時に公表。グーグルへの独禁法調査など米企業に圧力もかけており、周到に「幅広い手段を用意していることを示した」(元米政府高官)と警戒の声も上がる。
中国は景気が冷え込む中で、貿易戦争を回避したいのが本音とみられる。対抗措置発動は今月10日。米中首脳の電話会談では、互いに打ち出した措置の一時停止に向けた合意を得られるかが焦点となる。
[時事通信社]
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