イスラエル「正義の戦争」主張=「ジェノサイド」批判絶えず
イスラエルはパレスチナ自治区ガザ攻撃について、約1200人の命を奪う奇襲を行ったイスラム組織ハマスに対する「正義の戦争」(ネタニヤフ首相)と主張してきた。しかし、ガザでは民間人を含む4万7000人近くが死亡。反発する人権団体や国々から「ジェノサイド(集団殺害)」だと批判を浴びている。
ハマスによる奇襲直後の2023年10月7日、ネタニヤフ氏は国民に向けた声明で「子供や高齢者を含め、罪のない人々の命が奪われた」と糾弾。あくまで自衛権の行使だと訴え、ハマス壊滅を目指すガザ攻撃の正当性を強調した。
だが、ハマスが拠点化しているとして、病院や避難民が身を寄せる学校、避難先に指定した「人道地域」にも容赦なく攻撃。イスラエル軍は「ハマスが民間人を人間の盾として利用している」と主張するが、国際社会では非難が高まった。
女性や子供の死傷者が増加する中、南アフリカは23年12月、イスラエルがガザでジェノサイドを行っていると国際司法裁判所(ICJ)に提訴。ICJは24年5月、ガザ南部ラファでの軍事作戦を即時停止するよう暫定措置命令を発出した。国際刑事裁判所(ICC)も同11月下旬、ネタニヤフ氏とガラント前国防相に対し、人道に対する罪と戦争犯罪の容疑で逮捕状を出した。
萬歳寛之早大教授(国際法)は、ガザのインフラ破壊や、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動停止命令を挙げ、「ガザ住民を生活できなくさせる行為はジェノサイドと判断される可能性が高まる」と指摘する。
ただ、後ろ盾の米国は、ハマスとの戦闘に関してイスラエルの自衛権を擁護する姿勢を崩していない。ICCの逮捕状の執行について、加盟国フランスなどは「(免責が)考慮されなければならない」(仏外務省)と慎重姿勢を示している。国際社会からの非難がイスラエルの軍事行動抑止につながるかどうかは不透明だ。
[時事通信社]
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