「うれしすぎて眠れない」=悲しみや怒り、将来悲観も―ガザ停戦
【カイロ時事】「長い間耐えてきた。今晩はうれしすぎて眠れない」。パレスチナ自治区ガザ中部デイルバラのネメル・アジュールさん(31)は、停戦合意の一報を受けるとうれしさのあまり外に飛び出し、「神は偉大だ!」と叫んだ。
1年3カ月にわたって苛烈な軍事作戦下に置かれたガザの住民の多くは、停戦に歓喜の声を上げる。しかし、甚大な被害が帳消しになるわけではなく、深い悲しみや怒りは癒えない。住民が時事通信の電話取材などに答えた。
停戦合意の夜、ガザ各地では街に出て喜びを爆発させる人々の姿が見られた。肩車された男性がパレスチナの旗を振り、行き交う人は抱擁する。「今こそ家に帰ろう」と、避難民らは声をそろえて繰り返した。
一方、兄を失ったガザ中部ヌセイラトのアリ・アブデルファタさん(31)は「喜びは一瞬で、つらい記憶ですぐに心が満たされる」と語った。ヌセイラトに避難したラジャアーさんは、イスラエルへの不信感から「戦闘終結は信じていない」と将来に悲観的だ。
ガザ北部で避難生活を送るイマド・ラフィクさん(60)は、2023年10月のイスラム組織ハマスによる対イスラエル奇襲が同国の軍事作戦を招いたことを念頭に「ハマスのせいで、ガザは破壊された」と怒りをにじませた。
イスラエルの人々の心境も複雑だ。ハマスに家族を拉致されたハダス・カルデロンさんは地元テレビ局の取材に「幸せで興奮している」と涙ながらに語った。子供2人はすでに解放されたが、ガザに残されている元夫の生死は不明。「生きていると信じたい」と不安な表情を浮かべた。
[時事通信社]
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