シリア暫定政府、外交活発化=国家再建へ国際承認急ぐ
【カイロ時事】シリア旧反体制派の主力組織「シャーム解放機構」(HTS)が主導する暫定政府は、中東や欧米諸国との外交を活発化させている。アサド政権の崩壊でシリアを巡る中東勢力図が流動化する中、同政権を支えたロシアやイランに代わる支援国を確保できるかが、内戦長期化で疲弊した国家の再建に不可欠なためだ。
暫定政府が国際社会の承認を得ようと各国との関係構築を急ぐ一方、国際社会では、シリアへの影響力を確保しようとする動きが顕在化している。
暫定政府のシェイバニ外相は就任後初めての外遊でサウジアラビアを訪問。2日のファイサル外相らとの会談で、「アラブ諸国と共に安全と安定、繁栄を前進させるシリアの中心的役割」を強調した。
2011年からのシリア内戦でサウジは当初、反アサド政権の立場を取ったが、同政権が軍事的優位を固めると方針を転換。23年にはアサド政権とアラブ諸国との関係改善を主導した。シェイバニ氏のサウジ訪問は、こうした「変節」にこだわらず、アラブ諸国に大きな影響力を持つサウジを足掛かりに各国との関係構築を一気に進めたい思惑がうかがえる。
シリアの実質的統治者であるHTSの指導者シャラア氏も、各国外交団のシリア訪問を受け入れて会談を重ねる。米高官やフランス、ドイツの外相とは今後の新体制移行などについて協議。欧米の信頼を獲得することで、対シリア制裁の解除を目指している。
ただ、イスラム教スンニ派のHTSは、国際テロ組織アルカイダの流れをくむだけに、各国には警戒心が根強い。
昨年12月にヨルダン南部アカバで開かれた会合で欧米やトルコ、アラブ諸国の外相らは、女性や民族・宗教的少数派の権利尊重やシリアがテロ組織の温床にならないことなどを要求。ドイツのベーアボック外相はシャラア氏との会談後、シリアが排他的なイスラム主義体制に傾斜すれば「資金援助はしない」とけん制した。
[時事通信社]
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