韓国国会、尹大統領弾劾案を可決=史上3人目、職務停止―与党造反23人
【ソウル時事】韓国国会は14日、「非常戒厳」を3日に宣言した尹錫悦大統領の弾劾訴追案を可決した。全300議員が出席し、賛成が204票、反対が85票、棄権が3票、無効が8票だった。与党「国民の力」は反対する方針だったが、12人が賛成し、棄権や無効を含めると計23人が造反したもようだ。
韓国大統領の弾劾訴追は、盧武鉉、朴槿恵両氏に続き、史上3人目。尹氏は職務停止となり、韓悳洙首相が代行する。憲法裁判所が180日以内に弾劾事由を認め罷免すべきか判断する。
尹氏は内乱を首謀した疑いで捜査対象となっている。検察は14日、内乱容疑で、尹氏の側近である呂寅兄軍防諜(ぼうちょう)司令官を逮捕した。
尹氏は2022年5月に就任し、元徴用工問題の解決策を発表するなど対日関係の改善に取り組んだ。仮に罷免を回避できたとしても、尹氏の求心力は極めて低下しており、来年に国交正常化60周年を控える日韓関係への影響は避けられそうにない。
弾劾案は、最大野党「共に民主党」など野党6党が12日に再提出。戒厳宣言後の国会への軍投入や一切の政治活動を禁止する布告が、戒厳下での国会活動を認める憲法に違反したなどと指摘した。尹氏は可決後、国民向け談話を読み上げ「私は決して諦めない」と憲法裁で争う考えを示し、「最後の瞬間まで国家のために最善を尽くす」と強調した。
韓首相は「国政の安定的な運営に全力を尽くす」と表明。韓国政局が混乱する中、「誤った判断に基づく無謀な挑発」を北朝鮮にさせないように、警戒態勢の強化を軍に指示した。
世論調査で弾劾に賛成する国民は7割以上に上る。共に民主党の李在明代表は「国民が新しい歴史をつくっている」と評価。同党幹部は「偉大な国民の勝利だ」と述べた。
可決には全議員の3分の2以上の賛成票が必要。野党や無所属などを合わせると192人で、与党から8人以上の賛成が出るかどうかが焦点となっていた。可決後、大統領府は弾劾訴追議決書を受理し、尹氏の職務が正式に停止された。
7日に行われた1度目の弾劾案採決では、与党のほぼ全議員が投票に参加せず、廃案に追い込んだ。ただ、尹氏は12日の談話で「弾劾であれ捜査であれ堂々と立ち向かう」と主張。これに反発した与党の韓東勲代表は弾劾案に賛成すべきだとの立場に転じ、可決に向けた動きが広がった。可決後、韓代表は「結果を重く受け止める」と語った。
[時事通信社]
最新動画
最新ニュース
-
天皇陛下がお言葉=通常国会開会式
-
日銀、0.5%に利上げ=17年ぶり水準―金融政策決定会合
-
見通し実現で「引き続き利上げ」=25年度物価見通し、2.4%に―日銀
-
トランプ政策、拭えぬリスク=日銀
-
「書かない窓口」市長が体験=さいたま市〔地域〕
写真特集
-
【野球】イチローさん
-
【スノーボード男子】成田緑夢
-
【カーリング】藤沢五月
-
【高校通算140本塁打の強打者】佐々木麟太郎
-
【駅伝】第101回箱根駅伝〔2025〕
-
【野球】慶応大の4番打者・清原正吾
-
【競馬】女性騎手・藤田菜七子
-
日本人メダリスト〔パリパラリンピック〕