空母艦載機移転後の騒音争点=第5次厚木基地訴訟、20日判決―横浜地裁
米軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県大和、綾瀬両市)の騒音被害を巡り、周辺8市の住民約8700人が、国に航空機の夜間・早朝飛行の差し止めと計約131億円の損害賠償などを求めた第5次騒音訴訟の判決が20日、横浜地裁で言い渡される。
1~4次訴訟では過去分の騒音被害について賠償を認める判断が確定。4次訴訟の一、二審が命じた自衛隊機の飛行差し止めについては、「運航には高度の公共性がある」として最高裁で退けられた。その後、米軍の空母艦載機が2018年までに岩国基地(山口県)へ移転しており、現在の騒音状況をどう評価するかが最大の争点となっている。
原告側は、同種訴訟で定着していた航空機騒音の基準「うるささ指数」(W値)による評価は見直す必要があると指摘。国内で13年から採用されている各種騒音の共通指標「Lden」などを用いると、軍用機の騒音は民間機などによる騒音と比べて過小評価されており、移転後も被害は継続していると主張した。
これに対し国側は、岩国基地への移転や、従来機より騒音を抑えた自衛隊機の導入などにより騒音は軽減されているなどと反論した。
このほか、原告側は国に対し、被害解消に向け米側と協議することを求めた。福田護弁護団長は「(住民の)基本的人権を侵害しているとしたら、国は改善を求めなければならない」と話している。
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