敦賀2号機、再申請のハードル高く=新証拠に、130本超の断層調査も
2015年の審査申請から9年を経て「不合格」となった敦賀原発2号機について、日本原子力発電は追加調査をした上で再申請を目指す方針を崩していない。だが、「活断層の可能性を否定できない」とした原子力規制委員会の判断を覆す新証拠に加えて、敷地内にある130本以上の断層の調査などが求められており、越えるべきハードルは高い。
原電によると、今回の審査で焦点となった2号機原子炉建屋から約300メートル北にある「K断層」に関する追加調査の詳細は今年度内には公表する方針。ただ、調査期間は1年以上かかる見通しで、順調に進んでも再申請は数年後になるとみられる。
この他に「K断層」以外の調査も不可欠だ。規制委の山中伸介委員長は8月、同原発敷地内の130本以上の断層についても活断層か否かを調査する必要があるとした上で、「当然、敷地外の断層も評価していただく」と指摘した。建屋近くにある別の活断層「浦底断層」を踏まえた施設の耐震性評価も必要となる。
敦賀原発と同様に、敷地内活断層の存在を指摘された北陸電力志賀原発の審査では、その後の調査で新たな証拠が見つかり、結論が覆った経緯がある。原電もこうした可能性に望みをつなぐが、追加調査で「新証拠」を示せるのかは不透明だ。
一方、今回のパブリックコメント(意見公募)では「『可能性が否定しきれない』との論法は『悪魔の証明』ではないか」との意見が規制委に寄せられた。審査に携わった規制委前委員の石渡明氏は9月の退任会見で、「既に12基の原子炉が審査に通っている。大した悪魔ではない」と述べていた。
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