特別国会、11日に召集=石破氏、首相再指名の公算
衆院選の与党大敗を受けた第215特別国会は11日に召集される。石破茂首相(自民党総裁)が首相指名選挙を経て首相に再指名される公算が大きく、同日中に第2次石破内閣が発足する見通し。会期は14日までの4日間。予算委員会など実質的な審議は行われず、年内に召集される見込みの臨時国会に持ち越す。
与党は衆院で221議席(自民会派197、公明24)と、過半数(233)に届いておらず、野党の賛成がなければ法案や予算案を成立させられない状況だ。少数与党として苦しい立場の首相は11日午前、国民民主党の玉木雄一郎代表と会談し、年内成立を目指す2024年度補正予算案など国会運営への協力を要請する。
首相指名選挙は11日午後の衆参両院本会議で実施。衆院では1回目の投票で誰も過半数を得られず、首相と立憲民主党の野田佳彦代表による決選投票となる方向だ。
決選では共産党が野田氏への投票を検討している。日本維新の会や国民民主は自党の党首に投じる方針で、無効票となる。決選は多数決のため、石破氏が再び首相に選出される見込みだ。
特別国会では衆院選の結果を踏まえた国会人事も決まる。17ある衆院常任委員長ポストはこれまで「自民13、公明2、立民2」だったが、「自民9、立民5、維新1、国民民主1、公明1」となる。与野党の激しい攻防が展開される予算委は立民が獲得し、安住淳氏が委員長に就く。国対委員長経験が豊富で、他党との駆け引きを得意としており、立民幹部は「見せ場をつくりやすくなる」と意気込む。
野党は特別国会での予算委開催を求めたが、与党は拒否。ただ、臨時国会の早期召集は約束し、閉会中審査にも応じる方向だ。
石破政権の命運を事実上握っているのが国民民主だ。自民、公明は国民民主と政策協議を始めており、同党が求める「年収103万円の壁」見直しなどでどう折り合うかが焦点。首相は11日の党首会談も通じ、連携強化の糸口を探りたい考えだ。
首相は9日、公明の斉藤鉄夫新代表と会談。10日に維新の馬場伸幸代表、11日に野田氏とそれぞれ会談する。
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