トランプ氏、2期目の人選開始=外交・安保、対日に影響―首席補佐官に初の女性
【ワシントン時事】トランプ次期米大統領は7日、来年1月の政権2期目発足に向け、主要閣僚や補佐官の人選に着手した。国務・国防長官など外交・安全保障分野の人事は明らかになっていないが、米メディアでは複数の候補が取り沙汰されている。どういう人物が起用されるかは、対日関係を含め「米国第一」を掲げる次期政権の外交政策に影響を及ぼす。
「彼女が米国を誇らしくしてくれると確信している」。トランプ氏は7日の声明で、ホワイトハウスの運営を取り仕切る大統領首席補佐官に、スーザン・ワイルズ氏(67)を充てる人事を発表した。ワイルズ氏はトランプ陣営の共同選対本部長を務め、組織運営に定評がある最側近の一人。大統領との信頼関係が重要な首席補佐官に、女性が就くのは初めてだ。
トランプ氏は1期目、共和党主流派との対立で、政権幹部に充てる人材の不足に悩まされた。また、トランプ氏の意向に沿わない補佐官や閣僚の更迭・辞任が相次いだ経験から、候補者の忠誠心を慎重に見極めているもようだ。
自国の利益を最優先する「米国第一」のトランプ外交を支える国務長官には、1期目に大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めたロバート・オブライエン氏のほか、駐日大使だったハガティ上院議員、駐ドイツ大使経験者のリチャード・グレネル氏、ルビオ上院議員らの名前が浮上している。
ハガティ氏は7日、CNNテレビとのインタビューで日本製鉄によるUSスチール買収に言及。「成功させたいのなら、米国への投資が雇用を生み、安保を損なうのではなく、むしろ支えるものだと訴えるべきだ」と語った。大統領選中にもたびたびメディアに登場し、トランプ氏の発言を擁護していた。
国防長官には1期目に国務長官を務めたマイク・ポンペオ氏のほか、マイケル・ウォルツ下院議員らが候補に挙がる。
5日の大統領選と同時に行われた上院選で、トランプ氏を支える共和党の過半数奪取が確実となったことから、閣僚や高官人事に必要な上院での承認はスムーズに進む見通し。刑事訴追を受ける一方、政敵への「報復」を示唆してきたトランプ氏は、司法長官の人事を重視しているとされ、誰を起用するかにも関心が集まっている。
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