「移民の味方」「インフレ解消を」=有権者、思い思いの一票―米大統領選
米国を二分する大激戦となった大統領選。女性の権利や多様性を訴える民主党のハリス副大統領か、「偉大な米国」の復活を唱える共和党のトランプ前大統領か。全世界が注視する中、有権者は5日、思い思いの一票を投じた。
米西部カリフォルニア州は民主党支持が厚い。サンフランシスコでハリス氏に投票した白人女性のペトラ・ネルケンさん(27)は「トランプ氏はうそと偽情報で分断をあおっている」と批判。男性でも、人工妊娠中絶を基本的人権だと強調しハリス氏に投票した人が多かった。
起業家ジェイク・ラムパックさん(36)は、ハリス氏の出身地オークランドで同氏に投票。取り扱う発光ダイオード(LED)を使った製品は中国で生産しており、トランプ氏が勝利し関税を引き上げれば「価格を引き上げなければならなくなる」と懸念を示した。
一方、トランプ氏の邸宅「マールアラーゴ」がある南部フロリダ州パームビーチ郡の投票所では、白人男性のマット・ブラウンさん(44)が「経済、不法移民、外交など政策全てが明確だ」としてトランプ氏に投じた。白人女性のマディソン・コラントレロさん(24)は「急増した食費が一番の問題。より多くの料理が食卓に並ぶと信じてトランプ氏に入れた」。ボリビア出身の元不法移民で昨年市民権を取得した男性アンドレスさん(26)は「自分のような人々に寄り添うのがハリス氏だ」と語った。
民主党の牙城であるニューヨーク・マンハッタン中心部。白人男性のドゥルー・ロバートソンさん(74)は「賢く未来に対するビジョンがある」とハリス氏を評価した。ただ、民主党員ながらトランプ氏に投票した白人女性(45)は「バイデン政権は無策でインフレを引き起こした」と強調。黒人男性(43)も「変化を望む」とトランプ氏を支持した。
一部投票所では混乱も見られた。米メディアによると、激戦州の一つ南部ジョージア州フルトン郡で5日朝、爆破予告があり、2カ所の投票所で約30分間作業が中断した。ABCニュースによれば、15州で州兵が動員され、治安維持に当たっている。
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