イスラエル国会、UNRWA禁止法案を可決=ガザ支援に影響
【カイロ時事】イスラエル国会は28日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の国内での活動を禁止する法案を賛成多数で可決した。90日以内に発効する。イスラエルが戦闘を続けるパレスチナ自治区ガザへの支援などに深刻な影響が生じる恐れから、日本やイスラエルの後ろ盾である米国などは法案に懸念を表明していた。
UNRWAのラザリニ事務局長はX(旧ツイッター)への投稿で、法案可決について「国連憲章に反し、イスラエルの国際法違反だ」と強調。支援が滞り、「パレスチナ人の苦しみを深めるだけだ」と非難した。グテレス国連事務総長も声明を出し「施行されればパレスチナ難民に壊滅的な結果をもたらしかねず、受け入れられない」と批判。国連総会にこの問題を提起する意向を示した。
UNRWAは東エルサレムを含むヨルダン川西岸やガザに加え、ヨルダンやレバノン、シリアでパレスチナ難民を対象に人道支援を実施する国連機関。3万人以上の職員は、ほとんどがパレスチナ難民だ。
イスラエルは「反イスラエル感情を助長している」としてUNRWAとは緊張関係にあった。昨年10月のイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲後は、UNRWA職員が関与していたなどとして、さらに敵対姿勢を強めていた。
ロイター通信によると、イスラエルのネタニヤフ首相は28日、UNRWA職員は「テロ活動」の責任を取らなければならないと主張。一方、「ガザ支援継続のため、国際パートナーと協力する用意がある」と表明した。
同法案を巡っては、日本、英国、韓国、ドイツ、フランスなど有志国7カ国が27日、「深刻な懸念」を表明する外相共同声明を発表していた。
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