「はっきり違憲と言って」=原告女性ら、法改正願い―同性婚訴訟、30日東京高裁判決
同性同士の結婚を認めない民法や戸籍法の規定が憲法に違反するかが問われた訴訟の控訴審判決が30日、東京高裁で言い渡される。全国で起こされた同種訴訟のうち、高裁判決は2例目。原告の大江千束さん(64)は「はっきり違憲と言ってほしい。国会に強い球を投げて」と願った。
大江さんとパートナーの小川葉子さん(61)は共に暮らし始めて約30年。現在は東京都中野区で飼っている小鳥をめでながら、「家族としてたんたんとした生活を送っている」(小川さん)という。
2人の関係について身近な家族は理解を示すが、過去にはつらい目にも遭った。大江さんは親族に勧められた男性との見合い話をやんわりと断った際、侮蔑的な言葉を浴びたことが忘れられない。「結婚という社会的承認があれば、誰からも何も言われないのに」と苦い表情を見せた。
大江さんと小川さんは、互いをパートナーと宣誓することで行政手続きなどが受けやすくなる「パートナーシップ宣誓制度」を利用。病院での対応などの不安は緩和されるが、小川さんは「法的な拘束力はなく、財産分与などの問題がある」と訴える。
2022年11月の東京地裁判決は、同性カップルがパートナーと家族になる法制度がないのは「個人の尊厳に照らして合理的理由があるとは言えず違憲状態だ」と判断した。違憲と断定されなかったことに、大江さんは「中途半端というか、けむに巻かれたような気持ちに少しなった」と振り返った。
それだけに30日の東京高裁判決では、違憲と明言してほしいとの思いは強い。小川さんは「私たちも高齢になり、時間がない。一歩踏み込んだ判決が出て、社会の動きが変わることを切に願う」と語った。
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