北朝鮮の武器備蓄、最大3カ月=ロシアにコンテナ2万個―韓国分析
【ソウル時事】韓国国防省は、北朝鮮が朝鮮半島有事を想定して備蓄している武器をはじめとする物資について、「1~3カ月程度の戦争を継続できる量」だとの分析結果を国会に報告した。北朝鮮の軍需工場はロシアへの武器輸出のためフル稼働しているという。国防委員会に所属する与党「国民の力」の姜大植議員が23日明らかにした。
ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記はロシアとの軍事協力を深めている。韓国国防省の報告によると、北朝鮮は砲弾やミサイルなどをロシアに輸出しており、9月までに北東部の羅津港を通じて2万個以上のコンテナを送った。コンテナの量は152ミリ砲弾に換算すると約940万発分に相当する。
北朝鮮には200カ所以上の軍需工場があると推定され、戦闘機を除く主要兵器や弾薬を生産できる能力を備える。一部の工場は有事に攻撃を避けて稼働を続けるため、「地下要塞(ようさい)化」されている。報告は、ウクライナ侵攻が始まった後、ロシア向けの武器を製造する工場が「増産のため最大限稼働している」と指摘した。
報告は、北朝鮮の生産能力などを踏まえると、ロシアへの支援開始後も北朝鮮の兵器備蓄量に大きな影響は出ていないと判断している。一方で、輸出量が増えれば、北朝鮮軍の武器が不足し訓練に制約が生じる可能性があるとの見方を示した。
北朝鮮は、兵器に必要な半導体をはじめとする部品を輸入に依存する。報告は、ウクライナの戦場で見つかった北朝鮮製とみられるミサイルには欧米や日本で製造された部品が使用されていたと説明した。
国連安保理決議に基づく制裁で、北朝鮮へのミサイル部品の輸出は禁止されている。報告は、北朝鮮が比較的容易に輸入できる民生用の機器から部品を外し、武器の製造に利用していると推定。ウクライナでロシア軍が使っている北朝鮮製ミサイルの命中率が低い理由の一つだと分析した。
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