「権利には責任」「国会召集に期限」=憲法改正、9候補が主張―自民総裁選
自民党総裁選(27日投開票)に立候補した9人は憲法改正を巡って論戦を交わした。9条への自衛隊明記など、党が今月まとめた「論点整理」に基づく見解でほぼ一致したが、独自色も見られた。高市早苗経済安全保障担当相(63)は「憲法が保障する自由や権利には責任が伴う」と主張。石破茂元幹事長(67)は「臨時国会の召集期限の明記」を掲げた。
高市氏は22日の党主催討論会で、改憲で取り組みたい項目に関し「12条の『公共の福祉』だ」と表明。「SNSで詐欺、誹謗(ひぼう)中傷、偽情報があっても表現の自由だと言われる。『公共の福祉』の内容を明確にしたい」と述べ、私権の制限もあり得るとの持論を展開した。
石破氏は臨時国会について定めた53条の見直しを提唱。同条は衆参両院いずれかの総議員の4分の1以上の要求があれば「内閣は召集を決定しなければならない」と定めるが、期限は記していない。「期限を書かないと国民の権利を担保することはできない」と指摘した。
小泉進次郎元環境相(43)は国政選挙での「1票の格差」を取り上げた。都市部の議席が増えた衆院小選挙区の「10増10減」に触れ、「本当にそれだけ都市部で議員の数を増やすのが必要なのか」と提起した。
小林鷹之前経済安保担当相(49)は憲法前文について「日本語としておかしい部分がある」と書き直しを求めた。上川陽子外相(71)、茂木敏充幹事長(68)は地方自治に関する論議が必要と訴えた。
加藤勝信元官房長官(68)は「憲法改正を国民に身近なものにする」、河野太郎デジタル相(61)は「一国平和主義からの脱却が必要」と発言。林芳正官房長官(63)は総裁任期中の国会発議を目指す考えを示した。
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