2023-12-07 16:05国際

インド、異例のイスラエル支持=背景にヒンズー教右派の共感も

 【ニューデリー時事】イスラエルとイスラム組織ハマスとの衝突で、インドはイスラエル支持を鮮明に打ち出している。特定の陣営にくみしない外交方針を掲げるインドとしては、異例の対応だ。イスラム過激派によるテロの被害者として「反テロ」の方針で両国が共通するのに加え、モディ政権の主要な支持層のヒンズー教右派に、イスラエルへの共感が広がっていることも背景にあるとみられている。
 「困難な時期にあるイスラエルと連帯する」。ハマスによる10月7日の奇襲攻撃後、モディ首相はX(旧ツイッター)で即座に支持を表明した。同月27日には「人道目的の休戦」を求める国連総会決議案の採決で、インドは棄権。盟主を自任する新興・途上国「グローバルサウス」の多くの国と異なる対応だが、決議案にハマスを明確に非難する記述がなかったことが理由とされる。
 インドは1974年、非アラブ諸国で初めてパレスチナ解放機構(PLO)を承認。また、国内に約2億人のイスラム教徒を抱えており、イスラエル支持は驚きを持って受け止められた。
 インドの元外交官アニル・トリグナヤト氏は、敵対する隣国パキスタンを念頭に「インドは40年以上、越境テロや過激主義に苦しめられており、テロを許さない方針に従っている」と説明。2008年に西部ムンバイで起きた同時テロなどで「イスラエルが一貫してインドを支持してきた」ことも理由だと推察する。同テロはパキスタンに本拠を置くイスラム過激派が黒幕とされ、日本人を含む166人が犠牲となった。
 モディ政権は14年の発足後、軍事やハイテクの分野でイスラエルとの協力を推進。イスラエルの後ろ盾である米国への配慮が、政権の姿勢に影響を及ぼしている可能性も指摘されている。
 「インドもテロの被害者だ」。SNS上では、ヒンズー至上主義を掲げる与党支持者によるイスラエル支持や、イスラム教徒全体を敵視するような言説が飛び交う。そうしたイスラエルへの共感について、オランダ・ライデン大のニコラス・ブラレル准教授(国際関係)は米誌タイム(電子版)への寄稿で、ヒンズー教右派がイスラエルを「宗教ナショナリズムのモデル国家と見なしてきた」ことが背景にあると解説した。 
[時事通信社]

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