2023-12-06 14:51国際

米、ガザの戦後再建描けず=中東でのプレゼンス低下露呈

 【ワシントン時事】バイデン米政権は、戦後のパレスチナ自治区ガザの統治や再建を巡り、アラブ諸国との協議を主導しようと試みている。ただ、今回の事態は、米国の中東和平への関与低下が招いたとの批判もあり、合意が形成される見通しは立っていない。
 「パレスチナ自治政府は再生され、最終的にガザを統治する能力を持たなくてはならない」。イスラエルがイスラム組織ハマスとの戦闘を再開した翌日の2日、ハリス副大統領はアラブ首長国連邦(UAE)のドバイでエジプトやヨルダンの首脳らと相次いで会談。その後、声明を読み上げてガザ復興への考え方を説明し、協力を呼び掛けた。
 ハリス氏のメッセージにはイスラエル軍によるガザ再占領をけん制する意味合いもあるが、アラブ諸国内から積極的な支持の声は聞かれない。トランプ前政権がパレスチナ不在のままアラブ諸国とイスラエルの関係正常化を推進し、自治政府をより周縁化させたとの認識があるためだ。
 バイデン政権もサウジアラビアとイスラエルの国交正常化を仲介するなど、基本的にトランプ氏の路線を引き継いできた。米国内のアラブ・ロビーの間では、米国が中東和平プロセスに関与せず、パレスチナを放置してきたことがハマスを追い込んだとの分析は少なくない。
 米コロンビア大のラシード・ハリーディ教授(中東専門)は、「問題は10月7日に始まったのではない。米国は半世紀にわたって、イスラエルによる自治区の占領と入植を傍観してきた」と指摘。これこそが、バイデン大統領が恒久解決策として唱えるイスラエル、パレスチナの「2国家共存」の「最大の障害になっている」と明言する。
 米国は近年、イスラエルに対して年間30億ドル(約4400億円)以上の武器供与を行ってきた。民間人が犠牲になっているガザで一連の武器が使用されている可能性について、サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、「イスラエル側と軍事作戦の範囲や性質について、常に連絡を取り合っている」と述べるにとどめている。
 オースティン国防長官は2日の講演で、ガザの市民の間で反イスラエルの機運が高まれば「(イスラエルが)戦術的に勝利しても、戦略的敗北にすり替わってしまう」と強調。このまま犠牲者が増えれば、ガザ再建がより困難になると警告した。 
[時事通信社]

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