2023-11-30 16:29国際

手作業での救出劇に賛辞=危険顧みず、トンネル崩落事故―インド

 【ニューデリー時事】インド北部で起きたトンネル崩落事故は、閉じ込められた作業員41人全員の救出で幕を閉じた。国内では希望を捨てずに耐えた作業員に加え、危険を顧みず手作業で救出に道を開いた技術者を称賛する声が上がっている。
 「やるべきことをやったまでだ。ただ、自分の子供にはこの仕事をさせたくない」。発生から17日目の11月28日夜、作業員のいる場所に最初に到達したムンナ・クレシさん(29)は地元テレビのインタビューで救出成功を喜びつつ、こう語った。クレシさんは水道管の清掃などを行う会社に勤務している。
 報道によると、救出ルートを掘っていた米国製の大型掘削機が故障したため、当局は狭い土中での作業に精通したクレシさんら技術者チームを頼った。クレシさんらは直径約80センチのパイプの中に入り、手に持った削岩機などで10メートル超掘り進め、貫通させることに成功。地元メディアはチームを「英雄」とたたえた。
 このような方法は地元の石炭採掘業界で「ネズミ穴採掘」と呼ばれる。細い坑道を堀り、手作業で採掘する様子を表したものだ。北東部メガラヤ州などでよく見られ、小柄な子供が雇われることもあって問題視されてきた。
 地元メディアはこうした採掘労働者に例えて称賛したが、裁判所は2014年、安全上の懸念などを理由にこの採掘方法を禁じている。それでも最近も続けられているとみられ、死亡事故がたびたび起きている。
 インド工科大ダンバード校のビスワジト・パウル教授(鉱山学)は地元紙タイムズ・オブ・インディアへの寄稿で「(救出を担った)英雄たちはたたえても、ネズミ穴採掘はたたえてはいけない」とくぎを刺した。 
[時事通信社]

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