2023-11-30 14:18国際

SNS動画に割れる評価=ハマス、人質解放利用し「健在」誇示

 【エルサレム時事】イスラム組織ハマスが、イスラエルからパレスチナ自治区ガザに連れ去った人質の解放場面を映した動画を通じ、健在を誇示しようとしている。戦闘員が公然と姿を現して人質を引き渡す様子をSNSに投稿し、イスラエルの激しい攻撃後も力が残っていると強調する意図があるとみられるが、評価は割れている。
 ハマスが28日に公開した約2分半の動画は、人質を乗せたハマスの車列が暗い道を進むシーンから始まる。ヘッドライトの光に浮かび上がるパレスチナ人の群衆が指笛を鳴らし「歓喜」しているような場面だ。
 停車した白いワゴン車から人質が姿を現すと、その場はさらに興奮に包まれた。戦闘員が人質の両脇に付き添い、群衆の前を横切って赤十字国際委員会(ICRC)の車両まで送り届ける。受け渡しの中心的役割を担うハマスのほか、連携する武装組織「イスラム聖戦」も参加した。
 ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラの軍事アナリスト、ワセフ・エルカート氏は「イスラエルは、ハマスがガザで支配を失ったと主張したが、(ハマスは)実際に姿を現すことで強さを証明してみせた」と述べた。集まった人々は、人質の引き渡しを「イスラエルがハマスの助けを借りる歴史的瞬間だと捉えている」と語った。
 一方、10月7日の衝突開始後にガザから退避した地元シンクタンク「パルシンク」のオマル・シャバン所長は、映像では400人程度の観衆しか確認できないと指摘。本来なら物珍しさでもっと多くの住民が集まるはずだが、イスラエルの攻撃で外出できないほど打ちのめされているため人数が少ないとの考えを示した。
 また、ハマスがSNSなどを通じて「英雄」としてのイメージを広げ、戦闘を継続できると誇張しているのは「大きな問題だ」と強調。「実際は違う。ガザは持ちこたえられないほどの損害を受けた。この先も戦争が続けば、ガザは完全に終わる」と警鐘を鳴らした。 
[時事通信社]

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