2023-11-28 17:19TOPICS

菅・河野・小泉氏けん引=岸田首相「積極姿勢」に転換―ライドシェア

自民党の菅義偉前首相=2022年12月、東京・永田町
自民党の菅義偉前首相=2022年12月、東京・永田町

 一般ドライバーが自家用車を使って有償で乗客を運ぶ「ライドシェア」の導入に向け、政府が検討を急いでいる。菅義偉前首相が解禁を求めたのを皮切りに、河野太郎デジタル相や小泉進次郎元環境相ら菅氏に近い自民党議員が推進論をけん引。政府内で慎重論が強い中、岸田文雄首相の背中を押した。首相には、運転手不足の解消に加え、政権と距離を置く菅氏らの取り込みを図る狙いもありそうだ。
 首相は28日の参院予算委員会で、「担い手や移動の足の不足が深刻な社会問題と指摘される中、ライドシェアの問題に正面から取り組むこととした」と重ねて意欲を表明した。政府の規制改革推進会議は30日に開く会合でライドシェアに関する議論を続行。年内に方向性を示す方針だ。
 ライドシェアは都市部や観光地、過疎地での深刻な運転手不足を踏まえ、インバウンド(訪日客)拡大を推進してきた菅氏が8月の講演で解禁を提唱し、議論の口火を切った。
 これに呼応した河野氏が「守るべきは規制ではなく移動の自由だ」と主張し、政府内の議論を主導。小泉氏は今月22日に超党派勉強会の初会合で「迅速な対応が求められる。ライドシェア対タクシーではなく、『選択肢のある社会を』という思いだ」と訴えた。3人は党神奈川県連に所属。2021年9月の党総裁選では、首相に敗れた河野氏を菅、小泉両氏が支援した。
 ライドシェアを巡っては、安全性確保や事故時の補償、競争の公平性などの課題が指摘され、政府は導入に慎重だった。自民党内でもタクシー・ハイヤー議員連盟の幹部を務める盛山正仁文部科学相が「安易なライドシェアを認めるわけにはいかない」と述べるなど賛否が分かれている。
 政府内には「『菅印』の政策はやらないのでは」との見方もあったが、首相は10月の所信表明演説で「ライドシェアの課題に取り組む」と初めて表明し、積極姿勢に転じた。内閣支持率が低迷する中、党内での路線対立を避ける思惑もあるとみられる。菅氏周辺は「菅氏が発言すれば世の中が変わるというアピールになる」と述べ、同氏の影響力が強まるとの認識を示した。 

自民党の河野太郎デジタル相=15日、国会内
自民党の河野太郎デジタル相=15日、国会内
自民党の小泉進次郎元環境相=4月4日、国会内
自民党の小泉進次郎元環境相=4月4日、国会内

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