2023-11-28 17:13国際

再発警戒、言論封殺を加速=「白紙運動」から1年―習政権

 【北京時事】中国各地で厳格な「ゼロコロナ」政策に抗議する「白紙運動」が起きてから1年。運動を一つのきっかけに同政策は撤廃され、市民側の「成功体験」となったが、習近平政権は再発を警戒し、監視を強化している。運動に参加した市民は拘束や当局の監視下に置かれているとされ、言論封殺は一層加速している。
 27日夜、1年前に若者ら数百人が集まり白紙を掲げた北京市内の現場では、数メートル置きに警備要員が立ち、集会を阻止しようと通行人に目を光らせていた。上海でも同様に多数の警官が投入されたもようだ。
 上海の運動に参加し一時拘束された男性は、米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に対し、ゼロコロナ政策によるロックダウン(都市封鎖)や経済の低迷に対する怒りが運動につながったと指摘。「歴史に名を残すだろう」と意義を強調した。
 北京市内の大学で白紙を掲げた男子学生は、多くの運動参加者が今も政治的抑圧に直面しているとして、「権利のために闘い迫害された人々のことを忘れないでほしい」と語った。
 白紙運動は、1989年に学生らの民主化運動を武力弾圧した天安門事件以来の大衆運動とも指摘され、習政権は事態を重く見ている。当局は直後から参加者のあぶり出しを始め、ネットの監視を強化。少なくとも100人以上が逮捕されたという推計もある。中国のネット上で白紙運動に関する情報は一切表示されず、国営メディアは一貫してこの運動について伝えていない。
 今年10月末には李克強前首相が急死し、多くの市民がゆかりの地を献花に訪れた。開明的な指導者として慕われた李氏は、社会の統制を強める習国家主席と対比して語られることも多く、追悼の動きが政権批判につながらないよう、当局は神経をとがらせた。「国家安全」を最重要視する習氏は「反スパイ」活動にも力を入れており、言論空間は狭まる一方となっている。 
[時事通信社]

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