ロシア支援で欠陥解消か=北朝鮮が「衛星」打ち上げ
【ソウル時事】韓国政府は、北朝鮮が21日に打ち上げた「軍事偵察衛星」について、ロシアからの技術支援によりロケットのエンジンの欠陥を解消したと分析している。北朝鮮は5月と8月に軍事偵察衛星の打ち上げに失敗しており、金正恩朝鮮労働党総書記は威信を懸けて成功を目指していたとみられる。
過去2回の失敗は3段式ロケットのエンジンの異常が原因とされる。韓国の情報機関、国家情報院(国情院)によると、北朝鮮はロシアとの軍事協力を強化しており、武器供与の見返りに衛星開発に関する技術的助言を得た。
韓国の申源※(※はサンズイに是)国防相は19日のテレビ番組で「北朝鮮はロシアの支援を受け、エンジンの問題点をほとんど解消した」との見方を明らかにした。国情院や韓国軍関係者によれば、北朝鮮は最近、エンジンの地上試験などを活発に行った。
北朝鮮がこの時期の打ち上げを決めたのは、韓国の尹錫悦政権に対抗する意図もありそうだ。韓国は今月30日に米西部カリフォルニア州から独自の軍事偵察衛星を初めて打ち上げる予定だ。朝鮮中央通信は21日に配信した論評で、韓国の偵察衛星に関して「有事に先制攻撃することが目的だ」と非難した。論評は、日本も来年1月に「偵察衛星」を打ち上げる計画だと批判した。
また、年末に開催する朝鮮労働党の重要会議で「国防力の強化」を誇示する狙いもあると考えられる。正恩氏は先月20日にロシアのラブロフ外相と会談したことが伝えられたのを最後に、1カ月超にわたり動静が途絶えている。韓国の梁茂進・北韓大学院大総長は「(正恩氏が)打ち上げ成功に向けた準備に集中している」と推定した。
韓国軍は「衛星」打ち上げに先立ち、「必要な措置を講じる」と警告。南北の軍事境界線付近で飛行禁止区域を設定した2018年の軍事合意の効力停止を検討しているもようだ。合意は、北朝鮮に融和姿勢を取った文在寅前政権下で結ばれた。梁氏は「効力停止が現実化すれば朝鮮半島の緊張はさらに高まるだろう」と指摘した。
[時事通信社]
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