2023-11-21 11:21政治

北朝鮮、22日以降に衛星発射=岸田首相「安保理決議違反」―沖縄通過、太平洋に落下予想

 海上保安庁は21日未明、北朝鮮から22日午前0時から12月1日午前0時の間に「人工衛星」打ち上げを実施するとの通告があったと発表した。事実上の長距離弾道ミサイル発射とみられ、岸田文雄首相は情報収集・分析や国民への適切な情報提供と、米国や韓国と連携して発射中止を強く求めることなどを関係省庁に指示した。
 首相は21日午前、首相官邸で記者団に「衛星打ち上げが目的でも、弾道ミサイル技術を使用するなら国連安全保障理事会決議違反だ」と非難。「国民の安全に大きく関わる」との認識を示し、海上自衛隊のイージス艦や沖縄に配備した航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を挙げて「必要な態勢を構築している」と強調した。
 外務省の鯰博行アジア大洋州局長は同日、米韓両国の北朝鮮担当高官と電話で協議。日米韓3カ国が連携して対応することを確認した。
 破片などが落下する可能性があるのは、黄海上と東シナ海上、フィリピン・ルソン島東側の太平洋上の計3海域。いずれも日本の排他的経済水域(EEZ)の外側に位置する。
 北朝鮮は、5月と8月に軍事偵察衛星を打ち上げたが、2度とも失敗に終わった。韓国の申源※(※はサンズイに是)国防相は19日、月内に3回目の打ち上げを実施すると予測。「ロシアの支援を受け、(北朝鮮は)エンジンの問題点をほとんど解消した」との見方を示していた。
 防衛省は4月、上空通過が予想される沖縄県など南西諸島方面にPAC3や海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載したイージス艦を展開し、5月に破壊措置命令を発令。北朝鮮が失敗のたびに次回打ち上げを予告したため、現在も態勢を維持している。 
[時事通信社]

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