2023-11-19 14:03政治

国会で「不適材不適所」野党追及へ=所得減税も、20日補正審議入り

 国会は20日、衆参両院本会議で財政演説と各党代表質問が行われ、政府の総合経済対策の裏付けとなる2023年度補正予算案の審議が始まる。衆院予算委員会は21日から3日間実施。野党は、岸田文雄首相が表明した所得税減税や、政務三役の「不適材不適所」(立憲民主党幹部)問題を取り上げて攻勢を強める構え。内閣支持率の低迷にあえぐ首相は補正の月内成立に全力を挙げ、態勢の立て直しを図る。
 立民の泉健太代表が予算委の野党トップバッターとして質問に立つ。17日の記者会見で「今回の経済対策、特に所得減税を首相に問わなければいけない」と宣言。政府が防衛費増額のための増税時期を明らかにしない中、唐突に打ち出した1人当たり4万円の定額減税について説明を求める。
 首相は定額減税で「デフレ脱却」を目指すと訴えるが、報道各社の世論調査では厳しい評価を受けている。国会で丁寧に狙いを説き、理解を広げたい考え。首相は「税収増を国民に還元する」と繰り返す一方で、鈴木俊一財務相は「過去の税収増は政策的経費や国債の償還に既に充てられている」と発言した。立民は「閣内不一致」とみて追及する方針だ。
 2025年大阪・関西万博も論戦テーマだ。会場建設費は当初想定の約1.9倍に上振れし、補正には一部費用が盛り込まれた。野党の一部が延期や中止を求めている。
 今国会では既に副大臣2人、政務官1人が不祥事などで辞任に追い込まれた。三宅伸吾防衛政務官のセクハラ疑惑もくすぶったままで、野党は首相の任命責任を問う。自民党5派閥の政治団体が政治資金パーティーの収入計約4000万円分を政治資金収支報告書に記載していなかった疑いも浮上した。
 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済問題も焦点の一つ。与党は、教団財産の海外流出を防ぐため不動産処分時の事前通知などを盛り込んだ特例法案の制定を検討。一方、立民、日本維新の会は裁判所による包括的な財産保全命令を可能にする議員立法を今国会にそれぞれ提出しており、与野党の考えには溝がある。 
[時事通信社]

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