ガザのシファ病院「絶望的」=新生児31人退避―WHO
【エルサレム時事】世界保健機関(WHO)は18日、国連の人道状況調査チームがパレスチナ自治区ガザ最大規模のシファ病院を視察したと発表した。WHOは、病院が「死の領域」となり「絶望的」な状況にあると懸念を示し、患者と職員を即時退避させる必要があると強調。テドロス事務局長は19日、病院から新生児31人のほか、医療スタッフとその家族16人が退避したと明らかにした。
WHOによると、調査チームは18日の視察で、砲撃や銃撃の痕のほか、病院の入り口で大規模な墓地を確認。80人以上が埋葬されていると説明を受けた。
清潔な水や燃料、医薬品の不足で病院は機能停止に追い込まれており、床には医薬品を含むごみが散乱。調査チームは「効果的な廃棄物処理を行えなくなっている」とみており、感染症リスクの高まりを指摘した。
テドロス氏はX(旧ツイッター)で、「極めて危険な治安状況」下で退避が実現したと評価した。安全な通行の保証を条件に「残っている患者やスタッフを緊急に移送するさらなる活動を予定している」と述べた。AFP通信によると、新生児はガザ南部からエジプトへ向かうという。
[時事通信社]
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