2023-11-15 18:06経済

大阪万博「撤退連鎖」の懸念=参加各国、コスト高に不安

2025年大阪・関西万博に向けパビリオンの建設などを日本側に相談する参加国の担当者ら=15日午後、大阪市北区
2025年大阪・関西万博に向けパビリオンの建設などを日本側に相談する参加国の担当者ら=15日午後、大阪市北区

 2025年大阪・関西万博に参加予定の国・地域の担当者を集めた国際会議が15日、2日間の日程を終えた。準備の遅れが問題となっている海外パビリオンを巡り、メキシコとエストニアの撤退が判明。各国からはコスト高に不安の声が上がった。日本国際博覧会協会(万博協会)は支援策を急ぐが、不参加表明が相次ぐ可能性も否定できず、25年4月の開幕までの道のりは険しさを増している。
 「コストが非常に上がっており、ゼネコンを見つけるのがすごく大変。間に合うかどうか心配だ」。会議に参加したポーランドの担当者は、自国のパビリオン整備についてこう語った。
 問題となっているのは自前で建設する「タイプA」方式のパビリオンで、現在、約50カ国が予定している。「進捗(しんちょく)に満足している」(ドイツ)とする国があるものの、建築資材や人件費の高騰により、国内の建設業者と実際に契約を結んだのは半数程度にとどまる。
 万博協会はプレハブなどの建物を日本側が整備し、参加国が外装や内装を行う簡易な「タイプX」方式を提案。タイプAからの移行を促すが、ある国の担当者は「非常にいいアイデアだが、もう少し早めに教えてもらえれば助かった」と語る。
 「最終的には整備できるだろうが、日程的には難しい」(セルビア)、「(今後)コストが10%以上上昇したら、異なる案を考えるかもしれない」(ネパール)といった見通しも示された。
 万博協会は「出展困難な国には寄り添い型のサポートを続ける」(幹部)と、参加国のつなぎ留めに躍起だ。一方で、大阪府の幹部は「本国の都合で撤退するなら、地元としてはどうしようもない」と漏らした。 
[時事通信社]

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