団員死亡「いじめ確認できず」=稽古・指導で心理的負荷―理事長辞任へ・宝塚歌劇団

宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の女性団員(25)が9月末に急死した問題で、歌劇団は14日、外部の弁護士らによる調査報告書を公表した。報告書は「いじめやハラスメントは確認できなかった」と指摘。歌劇団は記者会見で、長時間労働で女性に強い心理的負荷がかかっていたのに適切なサポートができず、安全配慮義務を十分に果たしていなかったと認めた。遺族に対し、謝罪と補償を行う考えも示した。
木場健之理事長は「大切なご家族を守れなかったことを心よりおわびする」と述べ、12月1日付で辞任すると表明した。他に歌劇団の理事と阪急電鉄社長ら3人が報酬の一部を返上する。
報告書によると、女性は新人公演のまとめ役で、稽古や準備などで長時間活動。その状況で上級生から度重なる指導を受け、強い心理的負荷がかかった可能性が高いという。新たに理事長に就任する村上浩爾専務理事は「安全配慮義務、特に健康面に配慮すべきだった」と述べた。
今年2月には、女性が上級生にヘアアイロンを押し当てられたと週刊文春が報道。遺族側は女性がパワハラを受けていたと主張している。報告書は上級生らの指導について「社会通念上、許容される範囲」と認定し、いじめやパワハラは確認できないと結論付けた。
報告書を受け、遺族側の代理人弁護士は「パワハラに関する事実認定と評価は失当」と強く批判した。
歌劇団は宝塚大劇場と東京宝塚劇場の興行を年9回から8回に減らすなど、団員の負担軽減を図る。
女性は9月30日、宝塚市内の自宅マンション敷地内で死亡しているのが見つかり、兵庫県警は自殺の可能性が高いとみている。調査チームは女性が所属していた宙組の団員ら60人以上から聞き取りを行った。
[時事通信社]

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