「上級生からパワハラ」=額にヘアアイロン、長時間労働も―宝塚劇団員急死で遺族側弁護士

宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の宙組に所属していた女性団員(25)が急死した問題で、遺族側の代理人弁護士が10日、東京都内で記者会見し、女性が上級生からパワハラを受けていたほか、「常軌を逸した長時間労働を余儀なくされ、心身の健康を損なった」と明らかにした。安全配慮義務違反があったとして、劇団側に謝罪と補償を求めている。
女性は入団7年目の劇団員。下級生のまとめ役の1人だったが、9月30日に兵庫県宝塚市のマンション敷地内で倒れ、死亡しているのが見つかった。県警は自殺の可能性が高いとみている。
記者会見した川人博弁護士らによると、団員の退団などに伴い、女性に業務が集中。亡くなるまでの1カ月半はほぼ連続勤務で、時間外労働は月250時間を超過し、睡眠時間は3時間程度だったという。女性は劇団と委託契約を結んでいたが、誓約書には体形の維持に努めるなどの内容も含まれ、「契約内容を見れば使用従属関係があり、実質的には労働契約と評価される」としている。
女性は2021年8月14日、上級生から「前髪を巻いてあげる」と言われ、ヘアアイロンを額に当てられやけどを負った。今年2月に週刊誌で報道されると、上級生から詰問され、劇団は「事件の報道は事実無根」との声明を一方的に発表した。女性は劇団側の対応に精神的な負荷を受け、頻繁に体調を崩すようになったという。
その後も、稽古中に上級生から呼び出され、「下級生の失敗は、すべてあんたのせいや」「うそつき野郎」などの暴言を受けた。上級生の言動について、厚生労働省の指針で定める「職場におけるパワハラ」に該当するとしている。
一連のパワハラなどが原因で、女性は今夏に退団する予定だったという。遺族は弁護士を通じ、「娘の疲れ果てた姿が脳裏から離れません。救えなかったというやりきれない思いにさいなまれ続けている」などとするコメントを発表した。
宝塚歌劇団の担当者は「大変重く受け止めており、ご遺族に対して誠実に対応していきたい」と述べた。
[時事通信社]
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