2023-10-23 15:32政治

所得減税念頭に税収還元=供給力強化へ集中投資―持続的賃上げ実現・首相所信表明

 岸田文雄首相は23日午後の衆院本会議で、所信表明演説を行った。総合経済対策について、所得税減税を念頭に「税増収分の一部を還元し、国民負担を緩和する」と表明。今後3年程度を供給力強化への「変革期間」と位置付け、半導体や脱炭素といった大型投資への支援を集中すると訴えた。
 経済対策は11月2日にも閣議決定する。首相は物価高を乗り越える「国民への還元」と変革を進める「供給力強化」が「車の両輪」と強調。「還元」に関し、急激な物価高に賃金上昇が十分追い付いていないとして「デフレ完全脱却のための一時的な緩和措置」と指摘した。具体化に向け政府与党政策懇談会で、与党の税制調査会に早急な検討を指示すると説明。具体的な税目には言及しなかった。
 首相は「私の頭に今あるものは『変化の流れを絶対に逃さない』の一点だ」と切り出し、「最初につかまなければならない変化の流れは経済だ」と力説。低物価・低賃金の「コストカット型経済」から「成長型経済」に転換させるために「持続的な賃上げ」を実現し、投資を積極化させると語った。
 年末に期限を迎えるガソリン代、電気・ガス料金の補助は来春まで継続する意向を示した。低所得者支援に関し、多くの自治体で1世帯当たり3万円の支援が始まっていることに触れ、その財源として地方自治体への「重点支援地方交付金」を追加する方針を示した。
 急速な人口減少を受け「質の高い公共サービス提供」へデジタル行財政改革を推進。公共交通機関の運転手不足に対応するため「ライドシェアの課題に取り組む」と語った。マイナンバー制度の信頼回復に向け11月末をめどに総点検を終えるよう全力を尽くす考えを示した。
 外交面ではロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ情勢に言及。中国の海洋進出も念頭に「安全保障環境は戦後最も厳しい」とし、「世界を分断・対立ではなく協調に導く」と説いた。日韓関係は、尹錫悦大統領との「個人的信頼関係」をてこに連携を深めると打ち出した。
 北朝鮮の拉致問題を「政権の最重要課題」とし、金正恩朝鮮労働党総書記との首脳会談実現へ意欲を重ねて表明。「日朝の実りある関係を築くため大局観に基づく判断をする」との意向を示した。
 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題は、解散命令請求に関する裁判所での審理に「政府として万全の対応」を取ると主張。安定的な皇位継承と憲法改正に関し、国会での議論進展に期待を示した。「職を賭して粉骨砕身取り組む覚悟だ」と締めくくった。 
[時事通信社]

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