2023-10-18 18:29政治

財産保全法案、与党対応検討へ=思惑交錯、着地点は不透明―旧統一教会解散命令請求

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令請求を受け、教団の財産保全を可能にする法整備を巡る動きが与野党の間で活発化してきた。慎重論が強かった自民、公明両党は18日、対応を検討することで一致。立憲民主党は同日、日本維新の会に続いて独自法案をまとめた。ただ、各党の思惑が入り乱れ、着地点は不透明だ。
 「何らかの対応をしなければならない」。自民の茂木敏充幹事長は18日、公明の石井啓一幹事長と東京都内で会談し、法整備の必要性を含め検討する考えを伝達。石井氏も「公明としてどう対応するのか検討して返答する」と応じた。
 解散命令が確定した場合、教団の財産は債務の弁済などに充てられる。しかし、教団が命令前に財産の海外移転を進めれば、被害者救済の原資不足が予想される。立民と維新の法案は裁判所が請求に基づいて財産保全処分を命じられるようにし、こうした事態を防ぐ内容だ。
 自民内では当初、法整備について「財産権を定めた憲法に抵触する恐れがある」(党幹部)と慎重論が強かった。政府高官は「筋が悪い」と指摘し、岸田文雄首相も解散命令請求を決めた12日、「動きを注視したい」と記者団に述べるにとどめていた。
 自民が姿勢を変えたのは、内閣支持率が落ち込む中、「後ろ向きな姿勢を続ければ、弱腰と批判されかねない」(首相周辺)と危機感を強めたためとみられる。世耕弘成参院幹事長は17日の記者会見で「わが党は決して後ろ向きではない」と強調した。
 もっとも、与野党の足並みがそろうかは見通せない。茂木氏は18日、萩生田光一政調会長や若宮健嗣政調会長代理らと対応を協議したが、会合後、出席者の一人は「法整備は難しい」と語った。
 立民は18日、2年で効力を失う独自の特別措置法案を発表。長妻昭政調会長は会見で「憲法の疑義はクリアした。与党も含めてできる限り多くの政党と連携できればと思っている」と賛同を呼び掛けた。立民は早ければ臨時国会召集日の20日に国会へ提出する方針だ。
 これに対し、維新は期限を切らない宗教法人法改正案を20日に提出して対抗する構え。維新は立民との協力に否定的で、「特措法は逃げだ」(音喜多駿政調会長)との声が出ている。維新、立民両党で政府・与党に譲歩を迫る展開にはなりそうにない。 
[時事通信社]

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