2023-10-12 20:42社会

多額献金、困窮浮き彫り=進学断念に金策、家財質入れ…―宗教審、全会一致「相当」・旧統一教会

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令請求について記者会見する盛山正仁文部科学相(奥)=12日午後、東京・霞が関
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令請求について記者会見する盛山正仁文部科学相(奥)=12日午後、東京・霞が関

 文部科学省が12日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令請求を決定した。家庭が困窮し大学進学を諦めた子、金策に追われる日々を過ごした人、借金し家財を質入れした人…。調査は1年近くにわたり、被害を認定した判決内容などや被害者ら170人余りへのヒアリングを通じ、深刻な被害の実相を浮かび上がらせた。
 「献金のために保険金や退職金など将来の蓄えを費消し、家族に無断で貯蓄を使うなど経済状態を悪化させ、献金しなければならないと不安に陥って家族関係が悪化するなど精神的な損害も相当甚大と考えられる」
 盛山正仁文部科学相は宗教法人審議会の終了後に行った記者会見でこう強調し、「教団は財産的利得を目的として困惑や不安に陥れて多くの財産的・精神的犠牲を余儀なくさせ、平穏な生活を脅かした」と断じた。
 文化庁が収集した証拠は約5000点にも達し、段ボール20箱分に相当した。被害者らの境遇もつまびらかにした調査結果に対し、出席した学識経験者や宗教家ら14人の委員は全会一致で同省の方針を「相当」と了承した。
 文化庁は調査で、質問権行使時点より多い計32件の民事判決を把握し、賠償額も約22億円(169人)まで拡大。具体的な勧誘手法について、正体を明かさずに伝道活動などを行う「未証(みあか)し勧誘」、先祖の因縁により家族が重大な不利益を被るとの「因縁トーク」を挙げ、全国各地であった被害の類似性や共通性を指摘。「継続して多数回行われていたことを強く推認させる」とした。
 訴訟外のケースも情報収集し、和解(419人)や示談(971人)と合わせて被害規模は約1550人の計約204億円に上ったとした。
 元信者や宗教2世へのヒアリングなどを通じ、家族や会社に無断で資産を献金に充てたり、生活に困窮して借金や家財道具を質入れしたり、家族間の信頼喪失や大学進学の断念といった影響も明らかにした。
 教団は信者らに命令の善悪の判断を禁じる指導を行っていたとし、「良心よりも教団の財産的利益を優先した」と指摘。勧誘が教義と関連付けて行われている点や、本部からの指示で各教会が献金獲得や物品販売に関与し、そうした額が賞罰の対象となっていたことなどを挙げ、教団上層部の組織的関与を浮かび上がらせた。 
[時事通信社]

世界平和統一家庭連合の解散命令請求で、文部科学省が東京地裁に提出する約5000点の証拠資料(文化庁提供)
世界平和統一家庭連合の解散命令請求で、文部科学省が東京地裁に提出する約5000点の証拠資料(文化庁提供)

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