2023-09-28 19:06TOPICS

憲法に核戦力の高度化明記=正恩氏「質・量を急速に強化」―北朝鮮

平壌で開かれた北朝鮮の最高人民会議に出席する金正恩朝鮮労働党総書記(前列中央)=朝鮮中央通信が28日配信(AFP時事)
平壌で開かれた北朝鮮の最高人民会議に出席する金正恩朝鮮労働党総書記(前列中央)=朝鮮中央通信が28日配信(AFP時事)

 【ソウル時事】北朝鮮は26、27両日に開催した最高人民会議(国会に相当)で、核兵器を背景とした安全保障政策「核武力政策」を憲法に明記すると決めた。会議では金正恩朝鮮労働党総書記が演説し、核戦力を「質・量ともに急速に強化する」と強調。核開発の高度化を進める決意を改めて明確に示した。朝鮮中央通信が28日、伝えた。
 最高人民会議は、「責任ある核保有国として戦争を抑止し、地域と世界の平和を守るために核戦力を高度化する」との文言を憲法に盛り込むことを、全会一致で決定した。
 北朝鮮は2012年の憲法改正で、「核保有国」としての地位を明記。昨年の最高人民会議では核使用を法制化し、先制攻撃を辞さない構えを見せていた。正恩氏は演説で、「人民の聖なる闘争を通じて成し遂げた成果と核武力政策を、最高法(憲法)で担保する不可欠な課題が達成された」と評価した。
 正恩氏は、核兵器製造の飛躍的拡大や、核攻撃手段の多様化推進を「重要課題」として列挙し、核兵器の実戦配備を進めるよう指示した。また、「帝国主義者の核」が存在する限り「核保有国としての(北朝鮮の)現在の地位を変更したり譲歩したりしてはならない」と主張。「むしろ核戦力を一層強化していかなければならない」と核開発を正当化した。
 韓国統一省は28日、北朝鮮の決定を受け「核を放棄せず、核能力の高度化を図る強い意志を示した」と分析。北朝鮮が核を使用した場合、「北朝鮮の政権は終末を迎える」とけん制した。 

平壌で開かれた北朝鮮の最高人民会議で演説する金正恩朝鮮労働党総書記=朝鮮中央通信が28日配信(AFP時事)
平壌で開かれた北朝鮮の最高人民会議で演説する金正恩朝鮮労働党総書記=朝鮮中央通信が28日配信(AFP時事)

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