2023-09-23 14:18政治

「外遊3点セット」、維新提起へ=日程・領収書・報告、透明性アピール

 日本維新の会は公費を使った国会議員の海外視察について、日程表と旅費などの領収書、視察結果を記した報告書の3点の公開を義務付けるよう臨時国会で各党に呼び掛ける方針を固めた。議員の外遊に「税金の無駄遣い」として厳しい視線が向けられる中、次期衆院選を見据え、従来掲げてきた「身を切る改革」の一つとしてアピールする思惑がある。
 臨時国会は10月中旬にも召集される見通し。開幕早々に衆参両院の議院運営委員会理事会などの場で提起する考えだ。衆参の議院規則改正も視野に入れる。
 議員の外国訪問を巡っては今夏、自民党の松川るい参院議員が党女性局のフランス研修中、パリのエッフェル塔を背景にポーズを取る記念写真を撮影し、SNSに投稿。「まるで観光旅行」などと批判を浴び、女性局長を辞任した。
 衆参の正式な海外視察は、各委員会による「委員派遣」の形式を取るケースが多い。他国の実情や政策について知見を高め、国会審議に生かすのが主な狙いとされるが、実態は党派を超えた議員同士の親睦の機会になっているとの指摘もある。
 維新は今夏、国会の委員派遣について「物見遊山的な観光旅行だ」(馬場伸幸代表)として辞退した。一方で、同党の池下卓衆院議員が衆院議長に兼職届を出さずに地元市議2人を公設秘書として雇い、給与・報酬の「二重取り」も起きていたことが発覚。「身を切る改革」の看板に傷が付く事態となった。
 「3点セット」公開に対しては、自民党などが慎重姿勢を示すことが予想される。国会議員に月100万円が支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の見直しも自民の慎重論で停滞しており、維新幹部は「『改革マインド』の違いを明白にできる」と狙いを説明している。 
[時事通信社]

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