クマ被害、注意呼び掛け=最悪ペース、行楽本格化で―環境省

クマによる人身被害が4~7月で54件に上り、データがある2007年度以降最悪のペースで進んでいる。今年は食料のドングリ不足が懸念されており、秋の行楽シーズンで山を訪れる人が増えることから、環境省は「山中ではクマよけの鈴を着けるなど安全対策を忘れないで」と呼び掛ける。
人身被害はけがや死亡の件数を集計。4~7月の54件は17年度の50件を上回り、最多だった。今年度(4~7月)の出没件数は7967件と直近の5年間で2番目に多く、通報されていないものも相当あるとみられる。
通常、クマの餌は虫や魚など幅広いが、冬眠に備える秋はドングリを中心に大量に食べる。同省鳥獣保護管理室の担当者は「今年は東北を中心にドングリが不作。食料が足りずに山から人里へ下りてくると、人身被害の件数が跳ね上がる可能性がある」と懸念する。
山菜取りなどで山に入る際は一層注意が必要で、クマよけの鈴や話し声、蚊取り線香などで人間の存在を示すことが対策になる。「爪痕やふんがあれば引き返すことも考えてほしい」(先の担当者)。遭遇した際はクマから目を離さず、ゆっくり後退する。走ったり大声を出したりすると刺激し、突進される可能性が高まるという。
一方、都市部と隣接する森で育ったクマは人を警戒しない「アーバンベア」と呼ばれ、北海道では札幌市などで出没事例が報告されている。道では、家畜の牛を多数襲い7月に駆除された大型ヒグマ「OSO(オソ)18」が酪農家らを不安に陥れたが、警戒心が強く人前に姿を見せなかった。環境省担当者は「森に潜んでいたオソ18のような個体よりもアーバンベアの方が人を襲う可能性があり、本当は怖い」と警鐘を鳴らす。
同省は、都市部への出没を防ぐため▽クマが身を隠せる竹やぶなどを伐採する▽野菜を畑に放置しない―などが重要としている。



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