2023-09-18 14:07政治

岸田首相、「核なき世界」訴え=国連総会へ19日に出発

 岸田文雄首相は19日、国連総会に出席するため米ニューヨークへ出発する。同日午後(日本時間20日午前)に行う一般討論演説で「核兵器のない世界」実現へ決意を訴える。核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の交渉開始に向けたハイレベル行事を主催し、核軍縮の国際的な機運を醸成したい考えだ。
 FMCTは高濃縮ウランやプルトニウムなどの生産を禁止し、核兵器をこれ以上増やさないことを目的とする条約。1993年に当時のクリントン米大統領が提案した。核保有国のパキスタンが反対し、30年が経過しても交渉は始まっていない。
 被爆地広島を選挙区とする首相は、核軍縮に力を入れる。昨年8月に発表した「ヒロシマ・アクション・プラン」と、今年5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で議長としてまとめた「広島ビジョン」で、FMCT重視の姿勢を打ち出した。
 ただ、核軍縮の動きは強い逆風にさらされている。ロシアのプーチン大統領はウクライナ侵攻で、核の使用も辞さない姿勢を示す。新戦略兵器削減条約(新START)の履行停止を表明し、ベラルーシへの戦術核配備を進める。今月15日には、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮との軍事協力を検討する意向も表明した。中国は核戦力の増強に取り組む。 
[時事通信社]

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