2023-09-17 16:44スポーツ

エンゼルス大谷の打球、肘負傷後に変化=解析の専門家らに聞く―米大リーグ

野球のデータや動作を解析するネクストベースの森本崚太アナリスト=6日、千葉県市川市
野球のデータや動作を解析するネクストベースの森本崚太アナリスト=6日、千葉県市川市

 米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手が今季残り試合に出場しないことになった。復帰断念の直接の理由とされたのは右脇腹の負傷だが、8月に右肘を負傷する前と後の打球に変化が見て取れた。専門家に見解を聞いた。
 野球のデータ分析や動作解析を専門とする「ネクストベース」(本社東京)の森本崚太アナリストは、打球速度の低下に着目した。今季は大リーグでトップクラスの平均時速152.7キロをマークしていたが、負傷後の試合は平均140.4キロ。「故障後は打撃機会が少ないとはいえ、かなり落ちていて心配」と話した。
 打球角度の平均は、13.5度から8.4度に落ちていた。右肘の曲げ伸ばしはできており、「肘が動かないなどの直接的な影響はない」とみるが、「かなりの疲労や、状態の悪さが影響しているのでは」と分析。投打のフル回転や負傷などの要因が重なったとの見方を示した。
 肘などのスポーツ障害に詳しい慶友整形外科病院の古島弘三副院長は、「肘の靱帯(じんたい)を痛めても、打撃は痛くないという人が多い」と説明。ただ、無意識に故障箇所をかばうことで他の部位への負担が増し、けがにつながることもあるという。「全身のバランスが崩れてしまう。力が入らないとか、打撃フォームが乱れる可能性もある」と指摘した。 
[時事通信社]

古島弘三・慶友整形外科病院副院長(本人提供)
古島弘三・慶友整形外科病院副院長(本人提供)

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