ローマ教皇特使が異例の訪中=「国交樹立」観測も浮上
【北京時事】フランシスコ・ローマ教皇のウクライナ和平特使を務めるズッピ枢機卿が、中国を訪れた。公式には「中国政府高官とウクライナ問題を協議した」と説明されているが、外交関係のないバチカン(ローマ教皇庁)の特使訪中は異例。台湾と断交して中国との国交樹立に踏み切る第一歩ではないかとの見方も出ている。
バチカンによると、枢機卿は13~15日に北京を訪問。中国政府の李輝ユーラシア事務特別代表と会談し、ウクライナ和平に向けた道を共に探ることで一致した。枢機卿は6月にウクライナとロシア、7月に米国を訪れている。
バチカンと中国は1951年に断交。中国のカトリック信徒は1000万人以上いるとされ、政府公認教会と非公認の「地下教会」に分裂している。バチカンは中国側が選んだ司教を原則的に認めてこなかったが、2018年に暫定合意を締結。中国側が候補を選び、教皇が是非を判断する仕組みだとされる。
バチカンにとって14億の人口を抱える中国は、信徒を増やす上で魅力的だ。今月初めには中国に隣接するモンゴルを教皇が初訪問。中国を強く意識していたとみられ、滞在中に中国の信徒に向けて「良きクリスチャン、良き市民であれ」と呼び掛けた。
教皇をトップとするバチカン市国は、台湾が外交関係を結ぶ欧州唯一の国。中国はバチカンとの接近が、台湾の民進党政権を追い詰めるのに役立つと考えているようだ。中国メディアは「来年1月の台湾総統選を控え中国とバチカンが国交樹立を宣言すれば、(民進党から立候補する)頼清徳(副総統)にとって地雷爆発を意味する」と伝えた。
民進党の蔡英文政権が16年に発足して以降、9カ国が台湾と断交。外交関係を維持しているのはカトリック信徒の多い中南米・カリブ海諸国が中心で、総本山のバチカンまで失えば「断交ドミノ」が起きる可能性が出てくる。
[時事通信社]
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