中国不動産市場、さらに悪化=強まる先行き不透明感
【北京時事】中国で不動産市場が一段と悪化している。15日に公表された8月の主要経済統計では、関連指標が軒並み低迷。開発最大手の碧桂園で経営危機が表面化するなど、業界の先行き不透明感は強まるばかりだ。2023年の経済成長率が政府目標の「5%前後」に届かないとの市場予想も出始めた。
「不動産はいまだ調整段階にある」。国家統計局の報道官は15日の記者会見で、不動産市場の現状をこのように説明した。1~8月の住宅販売面積は前年同期比5.5%減と、1~7月の4.3%減からマイナス幅が拡大。統計局が同日公表した8月の住宅販売動向によると、主要70都市のうち、新築住宅が前月から値下がりした都市の数は今年最多を更新した。
中国では8月上旬、比較的経営が安定しているとみられていた碧桂園がドル建て債の利息を払えず、市場に不安が広がった。大手の大連万達集団などでも経営危機が判明する中、米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは今月14日、中国不動産業界の格付け見通しを引き下げたと発表。15日には中堅の遠洋集団が「流動性が厳しくなっている」として、すべての外貨建て債の支払いを当面停止すると明らかにした。
中国政府は危機感を強めており、8月末には住宅購入時に必要な頭金の比率を引き下げると表明。大都市での住宅購入制限も段階的に緩めてきた。ただ、専門家は、人口減という「構造的な課題」を抱える中、回復には「さらなる財政支援策の拡充」が必要と指摘。野村ホールディングスは8月のリポートで、23年の中国成長率見通しを従来の5.1%から政府目標を下回る4.6%に引き下げた。
[時事通信社]
最新動画
最新ニュース
写真特集
-
【野球】プロ野球の歴代首位打者
-
【男子体操】橋本大輝
-
【野球】阪神タイガース「18年ぶりセ・リーグ優勝」
-
【バスケ】バスケットボール男子「日本代表」
-
【野球】1980年代 「夏の球児」
-
【ラグビー】日本代表〔ラグビーW杯2023〕
-
【サッカー】なでしこジャパン
-
【野球】プロ野球の歴代本塁打王