2023-09-07 15:18社会

「タレント守る法整備を」=取引先企業の責任も―ジャニーズ問題

取材に応じる日本芸能従事者協会の森崎めぐみ代表理事=8月10日、東京都中央区
取材に応じる日本芸能従事者協会の森崎めぐみ代表理事=8月10日、東京都中央区

 ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川氏による性加害問題は、エンターテインメント業界が抱える課題を改めて浮き彫りにした。映画や演劇の製作現場でも性暴力の告発が相次ぐ中、「俳優やタレントらを守る法整備が急務」との声が上がっている。
 俳優やタレントはフリーランスが多く、「立場の弱さ」がハラスメントを引き起こす要因の一つになっている。今回も「生殺与奪権」を握るジャニー氏と被害を受けたジャニーズJr.の力関係は歴然としており、調査に当たった再発防止特別チームは「性加害を拒むと冷遇される認識」が共有されていたと分析した。
 俳優らでつくる「日本芸能従事者協会」の森崎めぐみ代表理事は、曖昧な労働契約や安全衛生対策の欠如など、業界の慣習が問題の温床になっていると指摘。「弱者保護が行き渡っていない。一見華やかな世界だが実態が伝わりにくく、やりがいにつけ込まれやすい」と語る。
 近年はフリーランスの働き方に関して法整備が進み、性的シーンの撮影で俳優や作り手をサポートするインティマシー・コーディネーターなど、意識改革につながる専門職も認知されてきた。森崎代表理事は「正当な待遇や社会的補償を形にすることは、ハラスメントを防ぐ上で大切になる」と訴える。
 国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」副理事長の伊藤和子弁護士は「(ハラスメントは)氷山の一角。ジャニーズだけの問題にしてはいけない」と話す。タレント事務所を巡る法整備の必要性に加え、事務所と取引がある企業の責任にも言及。取引先の人権侵害を検証して予防・改善策を講じる「人権デューデリジェンス」を法制化し、「企業に実施を義務付けないと、人権侵害はなくならない」と強調した。 
[時事通信社]

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