2023-09-03 14:25社会

京アニ事件動機、何を語る=被告人質問11回、争点は責任能力―5日から審理・京都地裁

京都アニメーション放火殺人事件の審理予定
京都アニメーション放火殺人事件の審理予定

 京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)が放火され36人が死亡、32人が重軽傷を負った事件で、殺人や殺人未遂などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の初公判が5日、京都地裁である。平成以降で最悪の犠牲者を出した放火事件は、刑事責任能力の有無が争点となり、被告が事件の動機などに関して何を語るのかが焦点となる。
 関係者によると、来年1月25日の判決までに審理は計23回に上り、うち被告人質問が11回を占める見通し。多くの遺族や被害者が参加し、被告に直接質問するとみられる。遺族や被害者に配慮し、一部は被害者の氏名を明かさない匿名化の措置が講じられ、法廷内についたてが設けられる。
 初公判後の7日から事件に至る経緯や動機に関して被告人質問が集中的に行われ、目撃者や京アニ社長らの証人尋問も実施される。10月23日からは責任能力の有無が審理され、起訴前と後に精神鑑定を実施した医師の証言を踏まえて11月6日に中間論告と弁論を行い、裁判官と裁判員はいったん中間評議に入る。
 11月27日以降は量刑が争点となり、遺族らが意見陳述するなどし、12月7日に結審する。検察側は遺族や裁判員に配慮し、凄惨(せいさん)な遺体の写真などの証拠提出は見送るという。
 事件は2019年7月18日午前10時半ごろ起きた。青葉被告はガソリンを従業員の体や周辺にまいて放火し、3階建て延べ約691平方メートルが全焼した。建物内にいた70人のうち、逃げ遅れるなどした36人が亡くなった。
 青葉被告自身も重いやけどを負い、約10カ月間入院した。20年5月に逮捕され、鑑定留置を経て同12月に起訴された。被告は逮捕後、「小説を盗まれたから火を付けた」「多くの負傷者が出そうだと思い第1スタジオを狙った」と供述した。
 ガソリンを使った手口を参考にしたとみられる放火も起き、21年には大阪・北新地の雑居ビルのクリニックが放火され、26人が死亡した。 
 
 ◇京都アニメーション放火殺人事件を巡る経緯
2019年 7月18日 京都アニメーション第1スタジオが放火され、33人死亡
            青葉真司被告は路上で身柄確保され、病院に搬送
        19日 重篤だった男性が死亡。死者34人に
        20日 京都府警が青葉被告に逮捕状
        26日 府警がさいたま市内の青葉被告の自宅アパートを捜索
        27日 重篤だった男性が死亡。死者35人に
      8月 2日 府警が死者10人の身元公表(残る25人は27日公表)
     10月 4日 重篤だった女性が死亡(11日に身元公表)。死者36人に
     11月14日 青葉被告が転院
  20年 1月 7日 第1スタジオ解体工事始まる
      5月27日 青葉被告が退院。府警が伏見署に移送し逮捕。大阪拘置所に勾留
      6月 9日 勾留理由開示で青葉被告が京都地裁に出廷
            京都地検が鑑定留置
     12月11日 鑑定留置終了
        16日 地検が起訴
  21年10月    弁護側請求の2回目の鑑定留置が判明
  22年 3月    2回目の鑑定留置終了が判明
  23年 5月 8日 公判前整理手続き
      9月 5日 青葉被告の初公判
※取材や発表を基に作成

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