加藤失格は「不運でレア」=映像確認ルール化に期待―日本テニス協会審判委員長
全仏オープンテニスの女子ダブルス3回戦で加藤未唯(ザイマックス)がボールガールに球を当てて失格となったことが波紋を呼んだ。日本テニス協会の審判委員長で、四大大会の主審を担当した経験を持つ岡村徳之さんは「不運で、非常にレアなケース。(審判らの)処置がおかしいということは感じなかった」と説明する。
ルールでは、選手がラケットをたたき付けて壊す行為や暴言には警告が出て、それが重なると失格になる。故意にボールをぶつけるなどの行為は警告を経ず失格となり、不注意からだったとしても危険と判断されれば即失格だ。
加藤のケースでは、ポイント間にネットの向こう側に緩く打った球が壁際にいたボールガールを直撃。主審は警告を与えたが、相手選手の説明を聞いた上で失格に相当するかどうかを判断することになり、大会規則の責任者であるレフェリーが呼ばれた。
映像を見返せば「危険ではない」とも判断できそうだ。しかし、不運だったのは当該の少女の状況。「ボールパーソンが反射的に泣いてしまったように見える。これはただ事ではない、となってしまった」と岡村さん。ビデオ判定はインプレー中の事象に限られるため、レフェリーはボールが当たった場面を見ないまま、選手らの説明とコート上の様子だけで判断した。岡村さんは「事実関係は動画で確認して判断すべきだ」と言い、規則改定を期待する。
こうした不運を避けるには選手のリスク管理も重要。十分な数のボールパーソンがいる状況なら、球を遠くに打って渡す必要はなく、慎重な姿勢は選手自身のためにもなる。
四大大会共通のルールブックによると、レフェリーの決定は動かない。ただ、失格後も混合ダブルスへの出場が許されたように実際には柔軟に運用されている。加藤が得られなかったランキングポイントと賞金が戻る可能性もありそうだ。
[時事通信社]
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