2023-06-09 17:57

ウクライナ、反転攻勢開始か=南・東部戦線でロシア軍攻撃―独製戦車投入の情報

 複数の米メディアは8日、ウクライナ軍がロシア軍に対する反転攻勢を開始したと報じた。ウクライナ軍は同日までに、南・東部の戦線で大規模攻撃を開始。昨年2月に始まったロシアによる侵攻は、ウクライナ側が占領地域の奪還を目指す新たな局面を迎えた。
 米シンクタンクの戦争研究所は8日、ウクライナ軍が東部バフムト方面で「防御から攻撃に転じた」と指摘した。7~8日には南部ザポロジエ州オリヒウ周辺で反攻を開始。欧米諸国の訓練を受けた部隊と欧米が供与した装甲車を投入して第1防衛線を突破したが、その後押し戻されたという。ドイツ製主力戦車「レオパルト2」なども投入されたもようだ。
 ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は、米政府高官の話として、8日の攻撃がウクライナ軍による反転攻勢の本格化を告げる作戦だった可能性を指摘した。ABCニュースによると、ロシアの民間軍事会社ワグネル創設者のプリゴジン氏も8日、「前線で現在起きていることは反攻開始を示しており、ウクライナ軍はこれを激化させるだろう」と語った。AFP通信によれば、ロシアのプーチン大統領は9日、ウクライナ軍の反攻が「始まった」と言及した。
 ロシアはいまだ、ウクライナ東・南部で全土のほぼ2割を占領中とされる。ウクライナ軍はザポロジエ州からアゾフ海まで南進してロシア軍を分断し、南部クリミア半島につながる陸路を断つことを目指しているとみられる。
 ただ、ロシア軍は占領地域に強固な防衛陣地を構築しており、反攻作戦の成功にはかなりの時間と犠牲を要すると見る向きが多い。ウクライナのゼレンスキー大統領は8日のビデオ演説で、反転攻勢には言及しなかったものの、バフムト周辺で「結果が出ている」と兵士らをねぎらった。 
[時事通信社]

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