2023-06-08 13:05

国立保健医療科学院元部長を逮捕=入札で特定業者に有利な仕様書―官製談合防止法違反容疑・警視庁

 ウェブサイトの保守運営業務を巡る一般競争入札で、調達仕様書に特定の業者が有利になるような記載をしたなどとして、警視庁捜査2課は8日、官製談合防止法違反容疑で、国立保健医療科学院元部長、佐藤元容疑者(62)=東京都世田谷区代沢=を逮捕した。同課は認否を明らかにしていない。
 同課は同日、関係先を家宅捜索し、業者との癒着があったとみて調べる。
 逮捕容疑は、同科学院政策技術評価研究部長だった2019年1月ごろ、サイト保守運営業務の一般競争入札で、東京都内のIT会社に落札させるため、調達仕様書に競合他社の参加が困難になるような項目を記載したなどの疑い。
 同課によると、入札は同年3月に行われ、同社1社のみが応札。落札価格は約900万円だった。競合1社は入札要件を満たさず失格となった。 
 同社は14年以降、ウェブサイト保守に絡む入札は18年を除き、毎年落札していた。佐藤容疑者はIT会社の社長と長年の知人関係にあったという。
 また、佐藤容疑者は入札の仕様を決める権限があった。入札参加要件に関し、合理的な理由がないのに、業務受注実績を1年から3年に引き上げた他、運用保守に関連性のない資格要件を追加していた。
 佐藤容疑者は11年4月から政策技術評価研究部長を務め、21年4月に医療創生大の副学長に就任。現在は同大国際看護学部の教授を務めている。
 国立保健医療科学院は保健、医療、福祉に関連する職業に就く人への教育訓練や調査研究を行う機関。02年に国立公衆衛生院など複数の機関を統合して設置された。
[時事通信社]

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