4月の実質賃金、3%減=物価高、賃金の伸び上回る
厚生労働省が6日発表した4月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、現金給与総額(名目賃金)に物価の変動を反映させた実質賃金は、前年同月比3.0%減となった。マイナスは13カ月連続。物価上昇に賃金の伸びが追い付かず、賃金の目減りが続いている。
基本給と残業代などを合わせた名目賃金は、労働者1人当たり平均で1.0%増の28万5176円。就業形態別に見ると、正社員ら一般労働者が1.1%増の36万9468円、パートタイム労働者が1.9%増の10万3140円だった。
一方、実質賃金の算出に用いる4月の消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)は4.1%上昇。食品のほか、携帯電話機やルームエアコンなどの電化製品も上がるなど、インフレ圧力は根強い。
2023年春闘では高水準の賃上げ回答が相次いだ。春闘を踏まえた賃金の支払いについて、加藤勝信厚労相は6日の閣議後会見で「5月分から7月分の調査に段階的に表れてくるのではないか」と述べた。
第一生命経済研究所の藤代宏一主席エコノミストは「今後、資源価格が大きく上昇しなければ、輸入品の高騰が収まり、実質賃金は年度内にプラスとなるだろう」との見方を示した。
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