不満の受け皿、極右に支持=「ロシア寄り」影響せず―独
【ベルリン時事】ドイツで反移民政策を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が支持を集めている。対ロシア制裁に反対するなどロシア寄りの姿勢を問題視する向きもあるが、政権与党が難民やインフレへの対応に手間取る中、不満の受け皿となっている。
独公共放送ARDが1日に発表した世論調査によると、AfDの支持率は18%となり、ショルツ首相率いる社会民主党と同率の2位に浮上した。新型コロナウイルス禍のさなかは当時のメルケル政権の防疫対応が評価される中、AfDの人気は低迷していたが、直近の約1年間で過去最高水準まで盛り返した。他の世論調査でも同様の傾向が見られ、既存政党は「衝撃的だ」と警戒を強めている。
与党幹部はDPA通信に「社会が右傾化しているサインではない」との見方を示しつつ、政治は市民の懸念を真剣に受け止める必要があると述べた。ドイツ経済は2四半期連続でマイナス成長を記録し、消費者は食品の値上げなどに直面。財政も難民受け入れで圧迫されている。
一方、AfDのクルパラ共同党首は「利益を重視するわれわれの方針が認められた」と自賛した。クルパラ氏は、5月に在独ロシア大使館の祝宴に参加して大使に贈答品を渡すなど、親ロ的な言動で物議を醸してきたが、党勢には影響していない。
[時事通信社]
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