ジョコビッチ、コソボめぐる発言は「信念」 全仏OPで物議
【パリAFP=時事】男子テニスで四大大会(グランドスラム)通算22勝を誇るノバク・ジョコビッチ(セルビア)は31日、全仏オープンで物議を醸しているコソボに関する発言について「それが私の信念」と述べ、断固とした姿勢を強調した。≪写真はノバク・ジョコビッチ≫
ジョコビッチは5月29日に行われた全仏オープン1回戦の試合後、テレビカメラに「コソボはセルビアの心臓だ。暴力をやめろ」と記し、セルビアメディアに対して、コソボはセルビアの「発祥の地であり、拠点」と述べていた。
この日はマートン・フチョビッチ(ハンガリー)との2回戦に勝利後、「多くの人が反対するのは承知しているが、どうしようもないことだ。それが私の信念。それだけだ」とコメントした。
この件について、国際テニス連盟はコソボテニス連盟から処分を要求する申請があったと明かしたが、グランドスラムのルールブックに「政治的発言を禁止する規定はない」と指摘し、今回のような発言は規則違反ではないと説明した。
フランスのアメリー・ウデア・カステラスポーツ相は国営テレビのフランス2で、ジョコビッチが発したメッセージは「適切ではなく」、「政治的」だとし、ジョコビッチが「関わるべきではない」問題だと批判している。
コソボ・オリンピック委員会(KOC)のスポークスマンはAFPに対し、ジョコビッチが政治的な緊張を「あおり」、「政治的中立に関する五輪憲章の根本原則に違反した」などと指摘し、IOCに書簡を送ったと明かした。KOCの会長も、IOCに対してジョコビッチへの懲戒手続きを開始するよう求めたと、委員会のフェイスブックに投稿した。
コソボ北部では5月29日、アルバニア系の市長が誕生したことに反発するセルビア系のデモ隊と北大西洋条約機構の平和維持部隊が衝突し、同部隊の30人が負傷した。
コソボは2008年にセルビアからの独立を宣言したが、セルビア側は独立を認めていない。【翻訳編集AFPBBNews】
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