動機や計画性の有無焦点=4人殺害、接点薄く―1日で発生1週間・長野
長野県中野市で住民女性と警察官計4人が猟銃や刃物で殺害された事件は、1日で発生から1週間。事件後に自宅に約12時間立てこもり、警察官1人への殺人容疑で逮捕された青木政憲容疑者(31)は容疑を認め、「(独り)ぼっちとばかにされたと思った」などと供述している。しかし被害女性らとの接点は薄く、県警は思い込みで一方的に恨みを募らせたとみて、動機や計画性の有無を詳しく調べている。
事件は5月25日午後4時25分ごろ発生。散歩中だった同市江部の竹内靖子さん(70)と村上幸枝さん(66)が刃物で刺され、通報を受けて約10分後にパトカーで駆け付けた中野署の池内卓夫警部(61)=2階級特進=と玉井良樹警視(46)=同=も猟銃を発砲されるなどして死亡した。玉井警視は銃撃後、車外で刺されて致命傷を負った。県警によると、4人とも即死状態で、死因は失血死だった。
目撃した男性によると、青木容疑者は「助けて」と逃げる村上さんを追い掛け、ナイフで刺した。男性が「なぜこんなひどいことをするんだ」と言うと、「殺したいから殺した」と答えたという。
青木容疑者は猟銃を持って自宅に戻り、立てこもった。夜間に発砲音が2回聞こえ、その後に母親と伯母が相次いで脱出。青木容疑者は翌26日午前4時半ごろ投降した後、逮捕された。
捜査関係者によると、母親は青木容疑者が立てこもり中、猟銃で2回自殺を図ったが失敗したと説明。母親が隙を見て猟銃を持ち出したという。県警は自宅から銃4丁と複数のナイフを押収した。
青木容疑者は2015~19年に銃4丁の所持許可を得ていたが、その後の調べで、襲撃に使われたのは散弾銃より命中精度が高く威力が強いハーフライフル銃と判明。弾は散弾より殺傷能力の高い単発のスラッグ弾だった。
竹内さんを刺した後は、台車で竹内さんの遺体を路上から自宅敷地内に移動させていた。県警は青木容疑者が遺体を隠そうとしたとみている。
[時事通信社]
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