2023-05-30 18:30

東京医大に二審も賠償命令=不正入試訴訟―東京高裁

 東京医科大が入試で女性らに不利な採点をした問題で、元受験生の女性16人が慰謝料など計約1億1340万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が30日、東京高裁であった。増田稔裁判長はうち4人について一審判決の賠償額を増やし、総額約2080万円の支払いを大学側に命じた。残る12人については一審の賠償額を維持した。
 一審東京地裁は昨年9月、原告28人のうち27人の請求を一部認め、計約1830万円の賠償を命令。これを不服として16人が控訴していた。
 増田裁判長は、「自らの努力や意思で変えることのできない性別を理由に女性の受験者を不利益に扱うもので、教育基本法や憲法の趣旨に反する」と指摘。公表せずに得点調整したことは「自らの意思で受験校を選択する自由を侵害し、不法行為に当たる」と判断した。
 その上で、得点調整によって不合格とされた4人について、「精神的苦痛は大きい」として慰謝料を1人50万~300万円増額するなどした。
 判決後の記者会見で、弁護団は「得点調整自体が不法行為に当たるとも受け取れる判決だ」と評価。「最高裁の判断を仰ぎたいが、まずは原告の意向を確認したい」と述べた。
 東京医科大の話 判決内容を精査し、対応を検討する。今後とも再発防止を徹底するとともに、適切な入学試験の実施に取り組んでいく。 
[時事通信社]

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